SUGAI DENTAL CLINIC KAMAKURA SUGAI DENTAL CLINIC KAMAKURA

SUGAI DENTAL CLINIC KAMAKURA

Case

他院で抜歯と診断された重度歯周炎罹患歯に対するエムドゲインを用いた歯周組織再生誘導療法
  • 歯周病症例

本症例のような局所的な高度な骨吸収像が認められる症例ではその原因は咬合に起因する場合が多く認められる。咬合性外傷による高度な骨吸収が認められる本症例の場合、通常は他医院での診断通り抜歯処置が適応される場合がほとんど全てであろうと考えられる。当院初診時に当該歯はレントゲン写真上では根尖まで骨吸収が進み、ペリオチャートではプロービングがスケールオーバーしており当然、ペリオエンドを併発し、失活歯の状態か歯髄炎を併発し自覚症状があるものと考えた。しかるに、当該歯は正常な歯髄反応を示す生活歯であり歯髄炎の自覚症状もなく動揺度もclassⅡであった。また、レントゲン上でも有用な情報を得ることができた。これらの情報から慎重に診断し歯周組織再生誘導療法の適応と判断した。その結果、1年後には初診時レントゲン写真で透過像と認められた部分の2/3が新生骨で満たされ、当該歯を正常に機能させることができた。これは患者のQOLを考えた時、大変有用な処置であったと考える。

  • 治療前
    レントゲン写真上では根尖を含み全周に渡る骨吸収像が認められる。初診時のPDが11⁺とスケールオーバーしており動揺度もクラスⅡで予後不良と診断された。しかしながら、生活歯である事、残存している骨の形態等種々の診査内容を踏まえたうえで、保存可能と診断し再生誘導療法を実施することとした。
  • 治療後
    エムドゲインを用いた再生誘導療法施術後1年後のレントゲン写真である。骨吸収像の約80%程度は新生骨で満たされており、経過は良好である。
患者様基本情報
  • 年代 40歳代
    性別 男性
  • 主訴 歯がぐらぐらする。かかりつけ医で歯を抜くと言われたが本当に抜かないといけないか?歯がぐらぐらする。かかりつけ医で歯を抜くと言われたが本当に抜かないといけないか?
  • 自覚症状 左下中切歯が動く。硬いものをたべると若干の痛みを伴う。
  • 治療期間 18ケ月
    通院回数
  • 治療費用 約15万円
治療経過

初診時口腔内写真、レントゲン写真
左下中切歯遠心の歯間乳頭は消失し、リセッションも4mmであった。レントゲン写真上では当該歯の歯根周囲は根尖まで骨吸収が認められる。ただし、歯髄反応は正常で生活史であることが確認された。なお、本症例の原因は早期接触による咬合性外傷であり、早期接触の除去等すべく咬合調整は初診時に行った。

初診時の下顎前歯部ペリオチャート
下顎前歯部全体にブリーデイングが認められる。PDは左中切歯遠心部でスケールオーバーしている。動揺度はclass Ⅱであった。

手術中の写真
通常の歯周炎同様、歯周基本治療を行い再評価後に左下中切歯を中心に、通報によりエムドゲインを用いた歯周組織再生誘導療法を実施した。

術後6か月の当該部位
術後6か月の口腔内写真とレントゲン写真である。骨欠損部は初診時の訳1/2程度が新生骨にて
満たされている。

術後6か月の当該部位ペリオチャートである。
左下中切歯にはブリーディングは認められるものの、プロービング深さは6mmと改善が認められる。

術後1年の当該部位口腔内写真とレントゲン写真
術後1年では初診時透過像として認められた部位の2/3程度の部位が新生骨にて満たされている。好ましい自己管理、プラークコントロールにより歯肉の性状も改善されている。 機能的にも全く問題なく正常に生活できQOLの維持に有用である。

1年後の当該部位ペリオチャート
左下中切歯のプロービング値も3mmと改善されており正常と思われる
この症例の治療のメリットについて

患者は予後不良で抜歯と診断された歯を抜くことなく、当院でのエムドゲインを用いた歯周組織再生誘導療法で新生骨を獲得し、良好な歯周組織のな状態に戻すことができ当該歯の予後の評価をFairに迄戻すことができた。患者のQOLを考えた時、本症例での歯周組織再生誘導療法は大変有用であったと考える。

この症例の治療のデメリットについて

自費診療の為の治療費の増大。